第12回 喫煙について
今回は「喫煙について」です。
JR東日本では4月1日から、首都圏全駅の全面禁煙をスタートし、201駅の喫煙所が撤去されたようです。みなさんの周りにも禁煙中の人がいらっしゃるのではないでしょうか?
JTの調査によると2008年の男女平均喫煙率は25.7%(男性39.5%、女性12.9%)であり、13年連続して過去最低喫煙率を示しています。しかし、男性の平均喫煙率が17年連続で減少しているのに対し、女性の喫煙率は2年連続上昇しているそうです。
タバコは老化促進サプリメントと呼ばれ、活性酸素を増加させることでビタミンCを破壊し、しみ、くすみなどの原因となるメラニンを増加させてしまいます。また、ビタミンCの減少により、肌の保水力を担うコラーゲンも減少します。このため、喫煙者は非喫煙者に比べ、5歳以上も肌年齢が「老化」しているそうです。
タバコの害で怖いのは、タバコの煙やヤニの中に、発がん物質をはじめ、カラダに有害な物質が200種類以上も含まれていることです。喫煙期間が長くなると、肺がんや舌がんになる危険が増します。さらに問題なのは、タバコの害は吸っている本人だけでなく、まわりにいる人たちへも同様の害を及ぼすことです。
また、喫煙は歯科疾患を増加させる大きな要因でもあることがわかってきました。
タバコに含まれるニコチンの作用により、末梢血管が収縮します。そうすると血液循環が悪くなり,歯周病になりやすく,また治りにくいのです。また、メラニンの沈着により歯肉が黒ずみますし、歯にヤニもつきます。
さらに,インプラント手術の成功率は,喫煙者では約10%低下するといわれています。これも血流が悪いことが失敗の原因になるためです。喫煙により、歯肉の毛細血管が収縮し血行が悪くなるので、創傷治癒が遅れたり、インプラントと骨の結合を阻害したりするのです。そこで、喫煙者の患者様には、禁煙をしてからインプラント手術を行うことをおすすめしています。
2006年4月から禁煙治療が保険適用になりました。
またニコチンパッチやニコチンガムなどさまざまな禁煙補助剤も手に入りやすくなっています。この機会に皆さんも禁煙にトライしてみてはいかがでしょうか。
禁煙をはじめたらぜひ歯のクリーニングにいらしてくださいね。